研究科・専攻紹介
研究科・専攻紹介
高分子材料,機能性有機材料等の有機材料は現代社会を支える重要な材料群の1つであり,その高性能化や新材料・新機能の開発が盛んに行われています。将来的には,他分野との融合や境界領域における利用までをも考慮し,有機材料を最大限に活用した新たな付加価値を持つ有機材料システムの創成が期待されます。山形大学大学院有機材料システム研究科では,有機材料の基礎から応用に至る知識を単に修得するのみならず,それらを核として他分野との連携により拡張される,より広範な有機材料システム分野を教育・研究の対象とします。
山形大学工学部の前身となる米沢高等工業学校は、1910年の繊維・織物に関わる学科の設置に端を発しており,1913年には日本で初めてレーヨンの合成に成功するなど,以降,有機材料研究に関しては世紀を越えた伝統が脈々と引き継がれています。その流れを汲む大学院理工学研究科博士前期課程の機能高分子工学専攻,有機デバイス工学専攻,後期課程の有機材料工学専攻を発展的に統合して2016年4月に新設されたのが,大学院有機材料システム研究科です。本研究科は有機材料システム専攻から成り,入学定員65人の博士前期課程と同10人の博士後期課程で構成されています。
当研究科では以下の理念・目標の下に、教育・研究を行います。
博士前期課程においては,以下の人材を求めます。
博士後期課程においては,上記に加え,以下の人材を求めます。
21世紀の社会情勢と産業構造の変革に呼応して「自ら新分野を開拓する能力を育てる大学」を目標とし,学部までの工学教育を更に広い視野から一層充実させ,研究活動を活発化して,科学技術の高度化・国際化に対応できる精深な学識を養います。
博士前期課程では、以下の教育課程を実施します。
博士後期課程では、以下の教育課程を実施します。
前期課程では,所定の期間在籍し、当研究科の理念・目標に沿った教育課程を履修して所定の単位を修得,修士論文を提出して論文審査、最終試験に合格するとともに,以下を満たすものに学位を授与します。
後期課程では,所定の期間在籍し、当研究科の理念・目標に沿った教育課程を履修して所定の単位を修得,博士論文を提出して論文審査、最終試験に合格するとともに,以下を満たすものに学位を授与します。
分子創成技術の飛躍的な進展に伴って,有機材料の様々な機能が注目されるようになってきました。有機材料が機能発現の鍵となる,有機EL,トランジスタ,太陽電池等に代表される電子デバイスを取り扱う有機エレクトロニクス・有機デバイスの分野の進展も著しく,印刷技術を用いた革新的なプロセスの導入やフレキシブルデバイスの開発など,有機・高分子材料の特徴を活かした研究・技術開発が進められています。これらの深化は今後も当然重要ですが,有機デバイスのハードウエアのみならず,例えばソフトウエアや情報通信システムとの融合までをも考慮することによって,有機材料をこれまで以上に有効に活用することが可能であると考えられます。今後はこのような周辺領域や他分野との融合によって,有機材料を最大限に活用させるところまでを俯瞰的にとりあげる有機材料システム分野を,積極的に教育・研究していくことが重要だと考えます。
本専攻では,有機材料に関わる深い基礎知識と関連分野に関わる幅広い知識を習得し,有機材料の応用までを実践的に学習するとともに,そのようにして得られる知識を論理的に展開して,有機材料分野の高度な専門課題にも問題解決能力を有する人材,有機材料システム分野において新分野を開拓する素養を有する人材,高い倫理観を持った人材を養成します。
有機材料に関する深い知識を有し,学際領域や異なる研究領域にも関心を持つことができ,グローバルな思考に基づいた実践ができる有機システム分野の専門家を育成することを目的とします。
有機材料に関する基礎から先端分野に及ぶ専門科目に加え,有機材料が関わる学際領域や異なる研究領域に関する専門科目の履修の機会を与えることにより,有機材料システム分野の根幹と拡がりを理解するとともに,研究室で行われる実験や演習等を通して,技術者・研究者としてグローバルに活躍できる素養を実践的に身につけることを目標とします。
独自のカリキュラムに基づく,博士課程5年一貫コース「フロンティア有機材料システム創成フレックス大学院」で履修することも可能です。