研究分野・キーワード:生体有機化学、界面化学、分子センシング工学、酵素反応、生体模倣材料、バイオセンサー
当研究室は2022年10月から学生を受け入れ始めた研究室です。
バイオのもつ優れた機能をヒントにするバイオ機能工学をベースとして、身の周りにある生体分子を含めたバイオ・化学分子を検出する分子センシングに関する研究を行っています。研究の詳細は研究室サイトをご参照ください。
ピコ・グラム〜ナノ・グラムの重さを測ることのできる水晶振動子微量天秤 (Quartz-Crystal Microbalance: QCM) 法を原理としたセンシング・デバイスの開発およびそのデバイス応用を研究しています。センシング対象となる分子の検出にマッチするようにデバイスを作製したり、新しい測定手法の開拓に取り組んでいます。最近では、交通系ICカードサイズのバイオセンサーの開発を行い、DNAの1塩基変異を検出することに成功しています(Sensors, 2023)。応用として、手のひらに乗るサイズのポケッタブルな遺伝子センサーの開発に取り組んでいます。
検出したいターゲット分子に合わせて、酵素や生体親和性ポリマー、有機合成によるバイオ分子ポケット、それらのセンサー表面上での積層構造の構築など、それぞれの機能を組み合わせてセンシングに適した材料を開発しています。取り組み例として、印刷電極を用いて電気化学を原理としたセンサーデバイスに対して、センサー表面上に複数の酵素を生体由来ポリマーで積層することで酵素カスケード反応を実現しアンモニア分子を検出するセンシング材料の開発を行いました(ACS Omega, 2020)。さらに酵素に最適設計された酵素サポート材料の開発にも取り組んでいます。
様々なバイオセンサーの開発だけでなく、これまで観察が困難だった現象を観察することができる新しい分析手法への展開も行っています。