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沖本研究室

研究分野・キーワード:(研究分野)原子層材料の簡便な電気化学合成法の開発と機能評価(キーワード)グラフェン合成・原子層材料・電気化学剥離/修飾・燃料電池触媒

沖本 治哉 助教沖本 治哉 助教

 沖本研究室ではグラフェンに代表されるようなナノカーボン材料の新規合成法や分離法の開発と機能評価の研究を行なっています。安価に入手可能な黒鉛はグラフェンと呼ばれるナノカーボン材料の層状化合物です。温和な条件で層間を膨張又は化学修飾することで、安価に表面が化学修飾されたグラフェンを作製することを研究室の主要なテーマにしています。

 原子数個の厚さの平面材料を原子層材料と言います。炭素・リン・窒素とホウ素など様々な組み合わせの原子層材料があり、透明性・導電性・柔軟性を兼ね備えた無機と有機の両機能を併せ持ったような機能性材料で、透明電極や電池の触媒材料として注目されています。一方で、安価に大量生産するのが難しいことが実用化のハードルの1つとされています。そこで、当研究室では、電気化学反応をキーワードとしてこれら原子層材料をより安価で簡便に作る新しい合成法を開発しています。例えばナノカーボン材料の1つであるグラフェンを鉛筆の芯と塩水だけを使って剥離することを可能にしました。さらに、窒素を修飾することで、燃料電池の触媒として利用可能なことも確認しました。そこで当研究室では電気化学反応を利用して安価な黒鉛からグラフェンや化学修飾されたグラフェンを合成する研究を行なっています。

 主な研究の進め方は、

  1. 電気化学反応をベースとする機能性グラフェン材料の合成

  2. 電子顕微鏡、原子間力顕微鏡、ラマン分光法、X線光電子分光を利用した原子層材料のナノレベルでの分析と構造評価

  3. 作成した原子層材料の導電性・触媒活性等の機能評価

 ★最近の研究テーマは以下のようなもので、グラフェン表面の機能化と剥離を両立させて同時に起こす手法の開発に力を入れています。

①濃厚電解質溶液による低酸化度グラフェンの電気化学剥離

②電位スイッチング剥離修飾法による化学修飾グラフェンの酸化低減法

③硫黄修飾グラフェンの電気化学剥離修飾法の開発

④バイポーラ電気化学剥離修飾法による化学修飾グラフェンの作製