研究分野・キーワード:高分子物性、プラスチック包装技術、プラスチック成型加工、サステナブル材料、バイオマス・環境調和材料
本研究室では、食料品や日用品の包装、スマホや電気自動車に使われているLi-ionバッテリー包装など、高分子フィルムを用いた機能性包装に特化した研究を行っています。主に①「フィルムの成形加工・接合」②「高分子物性」③「高分子の高次構造」の3つの分野から研究を進めています。
ヒートシール、超音波接合、レーザー接合など各種フィルム同士の接合や、押出成形などのフィルムの成形、延伸機を使ったフィルムの延伸加工などを行います。その中でも重要なヒートシールは、ポテトチップスの袋などその他食品包装の封止技術として使われており、温度と時間と圧力の3要素をコントロールすることでシール強度を制御します。
フィルム同士の接合部の剥離強度や、ガスバリア性や低分子拡散性を測定する試験など物性を測定します。例)剥離試験、引裂試験、引張試験、低分子拡散試験、ガスバリア性試験などによる物性評価。
透過型電子顕微鏡(TEM)、小角X線散乱(SAXS)、広角X線散乱(WAXS)等を使い、高分子内部の高次構造を解析します。解析したデータを物性値の変化に関連付けることで研究を進めています。特に本研究室では、接着層レスの多層フィルムの研究を行っており、PS層とPET層を接着させる働きを持つ接着層を無くした新規型の多層フィルムを開発しています。新規型の多層フィルムの中間層にはスチレンとブタジエンのブロック共重合体であるSBCが使用されており、ミクロ相分離構造が形成されます。ミクロ相分離構造を制御することで接着強度の向上を図ります。
以上の3つの手法から、次世代のプラスチック包装をリードする研究を行っています。