研究分野・キーワード:バイオセンサ、生体計測・制御
長峯研究室では、体を傷つけることなくヒトと植物の体内化学成分を検出できる新しいセンサの開発に取り組んでいます。
健康寿命の延伸と医療費削減を目指し、病気になったら病院へ行き適切な医療を受ける、というこれまでの医師主導型の医療から、自分の健康は自分で管理することで予防に努め、必要に応じて適切な医療を選ぶ、という個人主導型の予防医療へのシフトが近年提言されています。日常的な予防医療の実現には、いつでも、どこでも実施できる、身体的負担が無い健康管理技術が必要不可欠です。長峯研究室では、ヒトの体外に分泌され、かつ血液成分の一部が混在すると言われている汗と唾液の成分に注目し、それらを簡便に測定できる化学センサを研究開発しています。特に汗に関しては、ハイドロゲルに触れるだけで汗成分を抽出・検出できる世界初のセンシング原理を確立しました。
また、ヒトと同様に、植物、特に農作物の健康を測ることも重要です。化学肥料や農薬価格が高騰する現在、経験に頼らず定量的に農作物の健康状態を可視化することで、効率的な施肥・農薬散布の実現が求められています。長峯研究室では、葉にハイドロゲルを貼るだけで葉内化学成分を抽出・検出できるというセンシング原理を世界で初めて確立しました。これにより、農作物を傷つけることなく、定量的にその健康状態を把握可能になると期待しています。
更に、農作物が育つ土壌内にも注目し、そこに住み着く細菌の活動を測定・制御する新たな技術も研究開発しています。内部が見えない土壌における細菌とその周囲(農作物や微生物)の活動の一部を可視化することで、新たな農作物制御法の確立を目指しています。
生物に限らず様々な知識を要する研究内容ですが、特に基礎知識は問いません。興味とやる気があればそれで十分です。共に研究室を盛り上げてくれる学生をお待ちしております。